円の現金が最強?

サブプライムローン債券の問題がついに噴出して、ニューヨーク発の株安がはじまったようだ。円高を伴ってきていることから、金利の安い円などを借りて運用している投資家が市場から撤退しはじめていることをうかがわせる。現代ではデリバティブ取引という怪物のため、信用が信用を生み出す有様で、現物の株式や商品の上に二階建て・三階建て又はそれ以上の砂上の楼閣がそびえ立ち、信用インフレのようなものが形成されている。それが崩れようとしているらしい。
そうなると、あふれた資金の流入先となっていた株式は最も危険で、次に購買力の膨張で上がってきた貴金属や資源商品などの値下がりが考えられる。結果的にデフレとなるので、現金に近い資産ほど短期的には安全だ。
その現金も、問題の発信源となっている米ドルが最も危険で、逆に運用のために借りた低金利の通貨は返す必要があるので、日本円やスイスフランなどの低金利通貨は有望。その他の通貨に関して言えば、金利が高い国、最近の株価の上昇率が高い国の通貨ほど危険である。
これまで最弱だった日本円の現金が、当分は最強となるかもしれない。