ナンかライスか(1)

バンコクにて


外食でインド料理屋さんに行くと、ナンかライスか選ばせてくれる店が多い。昼時に行けば、ナンもライスも好きなだけ食べさせてくれるところもある。
食べながら周りを観察すると、八割くらいはナンを頼んでいる。拙者も、慣れないうちは、必ずナンを頼んでいた。ナンをカレーと食べるのが本格的なインド式だと思い込んでいたからでもあるし、珍しかったからでもある。
でも、去年以来内外130以上のカレー店を制覇した拙者の至った結論は「ナンかライスなら、カレーにはライス」である。ご飯は、甘いもの以外はどんなおかずにも親和する、万能に近い主食である。カレーのような粘性のものとならば、混ざりやすいのもよい。絶対にご飯でなければならないのは、ホウレン草をペーストにしたタイプのカレーで、日本人ならのり佃煮の一種を食べているような感じがするはず。
ではナンはどうだ?それ自体が甘味をもっていて、カレーの塩辛さや辛さとけんかしてしまう場合がある。また、大きめの鶏肉など肉を乗せると、両方がぱさぱさして食べ心地が良くない。挽き肉を使ったキーマカレーの場合のみ、ナンも悪くない。ちょうど、カレーパンのようなものだ。でも、キーマカレーはごはんにかけて混ぜてもうまいので、ここでもナンの勝ちとは言いがたいものがある。
では、ナンはライスの前には出番がなさそうだが、拙者はナンもよく頼む。とっておきの食べ方があるのだが、その続きはしばらく待ってくれ。
関係ないけど、『正々堂々、抵抗勢力!