『保守』の看板(2)

currykid2007-07-02

『保守』という言葉は、冷戦時代の名残からか、まだ自由主義や右翼的な方向性を指すものとして使われている場合が多い。
しかし、ここでは本来の字義に立ち戻ってみたい。日本人が『保守』主義と言う場合には、日本の伝統や心の底に流れる考え方を尊重することを指すのが本当だろ?

自民党政府は競争を是としており、能力やツキのあるものが報われるためには、そのために貧しくなる人が増えてもやむを得ないという考えだ。派遣労働者からの中間搾取は、規制を設けずに野放しにされている。地方では郊外に大規模商店の開店を許した結果、中心街の商店街の多くは閑古鳥が鳴き、シャッターを閉ざして営業を奪われた者も少なくない。われわれのご先祖様がこのような一人勝ちの社会を望んだはずはなく、これは保守的な政策とはいえない。現在の自民党は、日本人の伝統的な価値観を捨てて、アメリカを範としており、これは『革新右派』に分類すべきだな。
今は勢いを失っているが、同じく日本人の伝統的な価値観を捨てて、ソビエトを範とする者が『革新左派』である。
また、欧州的な社民主義を目指す者についても、日本人の伝統的な価値観を顧みないとするならば、『革新中道派』となる。

『保守』主義者を自任するならば、何か社会の問題を解決しようとするときに、まず我々自身のご先祖様の行動に範を求めなくちゃいけない。ご先祖様がそれについての解決策を持っていなかったら、外国の例をひも解いてみるのもよいだろう。しかし、ご先祖様を無視してすぐに外国に範を求めようとするのは、保守主義者の資格はないね。(続く)