ネーミングライツに反対

愛する「西武」ドーム

愛するライオンズが好調で勝率五割を回復した。十連敗を喫したあとは、六月十三日から十三勝三敗と、きっちりと連敗分をちゃらにしている。岸がプロの水に慣れて安定してきたこと、ジョンソンが四日のファイターズ戦でようやく実力の片鱗を見せてくれたこと、左腕帆足の復帰と、先発投手陣の充実が著しい。
今年になって、連敗を止めたタイガース戦を含めて球場には3回足を運んでいるが、拙者には「グッドウィルドーム」という名前が馴染めないというか、はっきり嫌いである。ネーミングライツには反対だ。

  • ネーミングライツニ反対する3つの理由
    1. 施設への愛着が命名企業の評判に左右される
    2. どこにあるかわからない
    3. 伝統を否定する

まず1については、グッドウィルが介護基準の問題を起こす前から、不快に思っていた。ゴールデンイーグルスの球場も「フルキャストスタジアム」と呼ばれているが、グッドウィルフルキャストも、人材派遣という卑しい業務を行っている会社である。拙者はライオンズの主催球場を「グッドウィルドーム」と呼ぶのには強い躊躇があり、「西武ドーム」とか「バッドウィルドーム」と呼んでいる。
2は「京セラドーム」だとか「スカイマークスタジアム」だとか、「ヤフードーム」にもあてはまる。これではどこにあるのか、球場の所在地がわからない。昔の球場名は基本的には都市の名が付いていたので、わかりやすかった。「平和台」、「甲子園」、「後楽園」、「西武」などは都市名ではないが、名前が変わることはないので「平和台は福岡、西武は所沢」というようにだんだん馴染んでいくことができた。
3はどういうことかというと、名前というものが売買の対象としてふさわしくないのではないかということだ。『名前』は『言葉』であり、『言葉』には『言霊(ことだま)』という魂が宿っている。また、時間の経過に伴って、『名前』は歴史を含んでくる。スポンサーが変わったからといって、明日から名前を変えるというのは、言葉に宿る魂や歴史を否定し、ひいては忘れ去ることにつながっていく。10年後に「グッドウィルドームカブレラが・・・」などと、名場面を語るとしても、そのころには「グッドウィルドーム」という名前は変わってしまっているので、その場面を思い出そうとしてもぼやけてしまうだろうな。