生安倍氏を見た

生安部氏1

安倍さんが近所で応援演説をしたので、せっかくなので、行ってみた。
(※選挙期間中につき、かなり表現が生温くなっております。必要なつっこみは各自で補完してください。)
駅前の広場とテラスには約2000人(目測)が集まった。広場の一番よい場所には、国旗の小旗や候補者名の入ったうちわをもった熱心な支持者が早くから詰め掛けている。拙者も含めてテラス上の聴衆は、せっかく近くに来てくれたからとやってきた傍観者層が多いようだ。拍手の量や安倍さんが来たときの盛り上がりも、広場の支持者とテラスの聴衆では段違いである。就任当時のような熱狂は、テラスの聴衆からは感じられない。
開始時刻となるが、すぐに安倍さんが来るわけではないので、自民党の国会議員、県会議員、市会議員、自公推薦の地元市長らが次々に登壇して時間をつなぐ。地方議員は、安倍さんに気をつかって、全員がクールビズしているのが可笑しい。
市長が「与党からいろいろな問題が出ているが、参議院選挙は政権選択の選挙ではないから、(候補者の)人柄優先で良識の府に送ってほしい。政権選択は衆議院選挙でやるべきだ」という趣旨のことを述べていた。逆風を意識しての発言だが、仮に与党が勝てば、「政権は信任された」と宣伝するに決まっているから、おかしな話である。ほかの演者は、あまりよく聞き取れない人が多かった。
30分近くたってから、候補者(スーツ姿)と安倍さん(クールビズ)が登場した。安倍さんの演説は下手ではない。それまでに登壇していた弁士の話は聞き取りにくい人が多かったが、安倍さんの発声ははっきりしていて聞き取りやすい。こういう立体的な構造の場所は、音響の関係で声が伝わりにくいのだが、さすがに演説慣れしているのだろう。ただし、聞き取りやすいので、おかしなことを言うとすぐわかってしまうのは、諸刃の剣である。素人にはおすすめできない
安倍さんが一番はじめに語ったのは年金問題である。名寄せ問題についてはあっさりと流し、社会保険庁を民営化しなければならないという主張に時間を費やした。「国鉄がJRになってサービスがよくなったように、社会保険庁なども民営化すればよい仕事をする」説明し、年金財源の問題には触れなかった。
二番目には教育改革を自賛した。「いじめを見てみぬふりをしない子供を育てる」という趣旨は結構だが、子供は大人の鏡であることに触れないのは残念だ。拙者は、いじめ問題は大人社会の荒廃と切り離せないと思っている。
次に地方分権をあっさり自賛したあと、最後に外交問題を語った。「地球環境問題にリーダーシップを執る」点に大きな重点がおかれており、朝鮮による拉致問題への言及はあっさりしていた。拉致問題への対応は安倍さんの売り物だったはずだ。でも、久間さん発言の影響で、愛国心を強調すると空回りすると空気を読んだのだろう。
演説が終わって、安倍さんは広場の熱心な支持者と握手を交わしてから、黒塗りの車に乗り込んでいった。