綿貫さんを見た

currykid2007-07-21

国民新党の綿貫さんが都心で応援演説をするというので、行ってみた。

「古里のなまりなつかし停車場」と詠われたターミナル駅前。おしゃれな客が多い衣料品中心の百貨店前、歩道沿いにぴったりと選挙カーを停めて、その歩道上の人々に訴えかけるこじんまりとした雰囲気。安倍さんのときとは違って、動員などはなく、黄色のシャツを着た運動員が10人くらい、歩道上で候補者のチラシを配って回っている。
拙者が予定時刻をわずかに過ぎて着いてみると、もうすでに綿貫さんが一番手で話し始めている。難なく一番いい場所を確保して周りを観察すると、たまたま待ち合わせで立っている人、せっかくだからと足を止めて聞いている人、関係なくティッシュ配りをしている人、できるだけ近くで見ようとがんばっている(がんばらなくても近くで見れる)数人と、いろいろだ。まあ、全部合わせて50人くらい聞いていただろうか。運動員がうちわを数枚持って歩いていたので、もらおうとしてよく見たら、近くのパチンコ屋で配っているやつだった。こんなところにかける金はないらしい。
壇上には、綿貫民輔党首、森田実さん、東京選挙区の公認候補、チベット出身の比例区候補と女性運動員が居り、のちに東京出身の比例区候補が送れて合流してきた。全体的にマイクの音量が小さく、近くに行かないと何を言ってるのかわからないが、そういう奥ゆかしさもよい。
綿貫さんが一番強調したのは「競争と共生のバランス」。自民党の政策が競争万能主義をはびこらせ、礼儀と助け合いが軽んじられていると批判。会社などでも同僚との競争に血眼になり、あいさつもろくに交わされないという例を紹介した。これこそ、自由主義マンセーになった自民党が切り捨ててしまった部分であり、日本の保守の本質部分だ。国民新党が執念深く訴えつづけて、自民党はもはや保守政党ではないということを周知してもらいたい。
残りの時間では年金問題について語り、「現状も整理できていないのに、将来の年金の話や責任の所在を云々するのはおかしい。火事が消えていないのに、責任や新しい家の話をするようなもの。」と、これを奇貨として社会保険庁の民営化の話を持ち出す与党を暗に批判した。
最後に「国民新党は、ぶれない、魂の党」と表現し、候補者を紹介した。「魂の党」の前には「日本人の」という言葉が隠されていると、拙者は勝手に想像する。

応援の森田実さんは、「アメリカは年次報告書で日本に郵便業務の民営化を押し付けながら、アメリカの郵便業務については、ホワイトハウスで民営化は不可能という結論になった」という逸話を紹介したのが印象に残る。また、国会の最終盤で強行採決を繰り返した安倍政権を批判したりした。
森田さんが話している間に、綿貫さんが選挙カーから歩道に降りてきたので、握手させてもらった。「富山の森田さん(野党系無所属)を勝たしてあげてください」と声をかけると、張りのある声で「おう、がんばろう!」と応えてくれた。80歳とは思えないエネルギーがあり、「おう、がんばろう!」という言葉が場によく合っていた。小柄だが、拙者が生まれるずっと前から議員を勤めた戦後政治を代表する政治家に声をかけてもらい、ちょっと感動した。
綿貫さんは、歩道で聞いていた人に次々と握手して回っていた。たいていの人が綿貫さんとひとこと話をしており、大規模な演説会とはまた違ったよさがあった。記念撮影をさせてもらっている夫婦もいた。
用事があったので、拙者は森田さんの演説が終わったのちにその場を去った。